血液透析について
hemodialysis

血液透析について

我が国の透析医療は、世界でもトップレベルにあり、生命予後も諸外国と比べて高いことが知られています。
我が国の慢性透析患者は33万人を超え、国民500人に1人が、透析療法を受けていることになります。その95%以上が血液透析を選択されており、血液透析が、日本における標準的な透析治療法であるといえます。

感染予防効果のある準個室タイプの透析ブース

廊下から見た各ブースの写真。全て準個室タイプでエアロゾルによる感染対策も高い効果があると思われる

透析患者さんは様々な合併症を抱えておられることが多く、その一つに免疫力低下があります。
透析患者さんの死因の第2位(21%)は感染症であり、一般人の5位(7%)の肺炎の3倍です。今回の新型コロナウイルス感染の透析患者の死亡率は11.7%で、一般人の1.6%に比して7.3倍の高さです(2021年2月時点)。

リクライニングチェアタイプのブース写真

当院は準個室タイプの透析ブースで、壁の高さは160cm、ベッド方向の広さは2.8mあり、直接の接触、飛沫感染に対してのみならず、エアロゾルによる感染に対しても高い予防効果があると思われます。

フレキシブルな透析スケジュール

血液透析は、血液を一度体外に出して循環させ、人工腎臓(血液透析器=ダイアライザー)を通過する間に、血液中の老廃物、過剰な水分を取り除き、電解質、pHの調整を行い、浄化された血液を体内に戻す治療法です。通常1回4~5時間の治療を週3回行い、大きな時間的、体力的負担を強いられます。また、通院や食生活の制限等、守らなければならない事柄がいくつかあります。

理念図説。見る始点を患者さんの視点に

しかし、それら自己管理の意識向上や合併症対策等によって、今や透析療法は、生命の維持を目的とするばかりではなく、QOL(生活の質)を高め、健康な方と同等の社会生活を続けることも可能となって来ました。

患者さんの側も、どのような生き方を望み、どのような治療を選択するのかの権利と意識が向上してきています。そのような患者さんのニーズの変化にきちんと対応するためには、私たちの視点の起点を患者さんの傍らに置くことであると考えます。フレキシブルな透析スケジュールを組む試みはその一つです。

チーム全員で患者さんを守ります

ピーエスクリニック(透析・血管アクセスセンター)は、チームで医療を提供します。私達の考えるチームとは、医師、看護師、臨床工学技士、事務員、送迎運転手、医療機器関係者、薬品関係者、清掃員、駐車場の係員他、様々な職種の人、そして患者さんのご家族等、患者さんに関わる全ての人をメンバーに含みます。

その中には、普段は挨拶を交わすだけの方々もおられます。しかし、その方々抜きでは病気とは戦えません。その意味で彼らも貴重なチームメイトと考えています。そしてチーム全員の力で患者さんを守って行きたいと思います。

何かお尋ねになりたいような事がございましたら、ご遠慮なくご連絡ください。